「子どもをご褒美でつっても”よい”?」 ご褒美の効果とあげるときのポイント

子育て全般

こんにちは。めぐです♪

「子どもを勉強させるためにご褒美でつるのはいけないこと?」
こんなふうに悩んだことのあるお母さんお父さんは多いのではないでしょうか?

実は、ご褒美が子どもの学力UPに効果があることや、ご褒美は子どもの「勉強する楽しさ」を失わせないということが、すでに経済学的に証明されています。

今回は、子どもの学力に対するご褒美の効果と、「どんな」ご褒美を「いつ」あげたらいいのかなど、ご褒美をあげるときのポイントについてお話しします。

「本を読んだらご褒美」は「テストでよい点をとったらご褒美」より効果的!

「テストでよい点をとったらご褒美をあげる」
「本を1冊読んだらご褒美をあげる」

この2つのうち、子どもの学力をあげる効果があるのはどちらだと思いますか?

「テストでよい点をとったらご褒美」では、より直接的に成績をよくすることを目標にしているため、こちらのほうが学力UPには効果がありそうと思われた方が多いのではないでしょうか。

ところが実際はその逆で、「本を読んだらご褒美」のほうが「テストでよい点をとったらご褒美」より効果があることが教育経済学の実験により明らかになっています。

「インプットにご褒美」と「アウトプットにご褒美」ではどちらが効果的?

教育経済学では、子どもの教育に対する効果を分析するときに「インプット・アウトプット・アプローチ」という考え方をします。

子どもの学力をアウトプットとし、授業時間や宿題、家庭学習などの教育上のアプローチをインプットと考え、それぞれのインプットがアウトプットである学力にどれくらい影響しているのかを明らかにしていきます。

アメリカの5都市で行われ、約3万6千人の小中学生を対象にした大規模な実験では、「インプットに対するご褒美」と「アウトプットに対するご褒美」のどちらが効果的なのかを検証しました。

「インプットに対するご褒美」のグループでは、本を読む、宿題をする、授業に出席するなど、学力UPにつながると思われる行為に対してご褒美をあたえます。

一方、「アウトプットに対するご褒美」のグループでは、学力テストや通知表の成績の結果に応じてご褒美をあたえます。

この2つのうち、子どもの学力をあげる効果があったのはどちらでしょうか?

実験の結果、学力テストの成績がよくなったのは、インプットにご褒美をあたえられた子どもたちでした。

とくに、数あるインプットのなかでも、「本を読むこと」にご褒美をあたえられた子どもたちの学力UPが最も顕著という結果でした。

一方で、アウトプットにご褒美をあたえられた子どもたちの学力は、意外にもまったく改善しなかったのです。

「アウトプットにご褒美」が効果がなかった理由

「アウトプットにご褒美」―つまりテストでよい点をとったらご褒美をあたえる場合では、より直接的に成績をよくすることを目標にしているにも関わらず、なぜ学力に対する効果がみられなかったのでしょうか?

その答えは、子どもたちが「ご褒美」にどう反応し、どう行動したかにあります。

「インプットにご褒美」をあたえられた場合、子どもたちが何をすればいいかは非常に明確です。
本を読み、宿題をやり、授業に出ればいいわけです。

ところが「アウトプットにご褒美」をあたえられた子どもは、具体的に何をしたらいいのか示されていないため、学力をあげるために何をしたらいいのかがわからないのです。

このことから、ご褒美は「テストの点数」などのアウトプットではなく、「本を読む」など具体的なインプットに対してあたえるのがよいということがわかります。

ご褒美は「いつ」あたえるのが効果的?

「インプットに対するご褒美」は子どもの学力UPに効果があることはわかりました。
では、その「ご褒美」はどんなタイミングであたえるが効果的なのでしょうか?

答えはとてもシンプルで、インプットの行為を終えた「すぐ後」が最も効果的です。

人間は、「今」と「将来」をくらべたときに、今目の前の利益のほうが大きくみえてしまうという性質をもっているため、目先の利益や満足をつい優先してしまいます。

そのため、将来のことを考えれば勉強したほうがいいことはわかっていても、つい勉強をせずに目の前の楽しみを選んでしまう、ということになるのです。

ちなみにこれは子どもに限らず大人にも同じことが当てはまります。
長い目でみればダイエットしなければいけないことはわかっているのに、つい目先の誘惑に負けてたくさん食べてしまい、「ダイエットは明日から…」なんて経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

「目先の利益や満足をつい優先してしまう」ということは、裏を返せば「目の前にご褒美があれば、今勉強することの利益や満足が高まり、勉強を優先する」ということでもあります。

つまり、子どもにすぐに得られるご褒美をあたえる「目の前のニンジン」作戦が、学力UPにおいても効果的なのです。

今までのポイントをまとめると、子どもにご褒美をあたえるときは、「インプットに対するご褒美」「すぐ」にあたえるのが最も効果的ということになります。

「1時間勉強したら、勉強が終わったあとにお小遣いをあげるよ」
「テストでよい点をとったら、次のお年玉の金額をUPしてあげるよ」

この2つの場合、前者の方が子どもの学力に対する効果は高い、ということですね。

ご褒美には「何を」あたえるべき?

それではご褒美には何をあげるのがいいのでしょうか?

ご褒美としてぱっと思いつくのはお小遣い、つまり「お金」だと思います。

ところが、シカゴ大学で行われた実験により、小学生にはお金よりも同額のトロフィーのほうがご褒美としての効果が大きいことがわかりました。
一方で、中高生以上にはやはりトロフィーよりもお金のほうが効果的だったことがわかっています。

この実験の結果から、子どもが小さいうちは、子どものやる気を刺激するような「お金以外のご褒美」をあたえ、子どもが中高生くらいになったら、「お金」をご褒美にするのがよいと思います。

お金をご褒美にすることに抵抗がある方もいらっしゃるかと思いますが、教育経済学者で慶應義塾大学准教授の中室政子氏は、
「金額や与え方を間違わなければ、お金はそんなに悪いご褒美ではないと思っています。」
と話しています。

その根拠は、前の章でお話ししたアメリカの実験の事後調査の結果にあります。

実験後に行われたアンケート調査の結果によると、ご褒美でお金をあたえられた子どもたちは、そのお金を無駄遣いするどころか、きちんと貯金をし、娯楽や衣服、食べものに使うお金を倹約するなど、より堅実なお金の使い方をしていたことが明らかとなったのです。

この実験では、ご褒美をあたえるだけではなく、貯蓄用の銀行口座を作ったり、家計簿をつけるなどの金融教育が同時に行われていたこともその一因と考えられています。

この結果について、教育経済学者の中室政子氏は、
「お金というご褒美を頭ごなしに否定するのではなく、金融教育も同時に行えば、子どもたちは、お金の価値に加えて、貯蓄することの大切さまでも学んでくれるのです。」
と説明しています。

ご褒美は子どもの「勉強する楽しさ」を失わせない

「ご褒美に効果があるのはわかったけれど、子どもをご褒美でつって勉強させるなんてよくないんじゃないの?」
そんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。

確かにご褒美で学力があがっても、子どもにご褒美をあたえることで「勉強することが楽しい」という子ども自身の気持ちが失われてしまっては本末転倒です。

この点についても、前の章でお話ししたアメリカの実験の際に検証が行われています。

実験のあとに行ったアンケート調査の結果を分析したところ、ご褒美の対象となった子どもたち(=処置群)と対象にならなかった子どもたち(=対照群)では、「勉強することが楽しい」という気持ちに統計的に有意な差はみられませんでした。

つまり、ご褒美は「勉強するのが楽しい」という子ども自身の気持ちを失わせていないということが明らかとなったのです。

まとめ

  • 適切なご褒美をあたえることは、子どもの学力をあげる効果がある。
  • 子どもにご褒美をあたえるときは、本を読むなどの「インプットに対するご褒美」を行為の「すぐ後」にあたえるのが最も効果的である。
  • 子どもが小さいうちは、子どものやる気を刺激するような「お金以外のご褒美」をあたえ、子どもが中高生くらいになったら、「お金」をご褒美にするのが効果が高い。
  • ご褒美は「勉強するのが楽しい」という子ども自身の気持ちを失わせない。

今日の参考図書

「学力」の経済学【電子書籍】[ 中室牧子 ]
楽天Kobo電子書籍ストア
¥ 1,760(2021/09/20 03:10時点)

漫画版もあります♪

まんがでわかる「学力」の経済学【電子書籍】[ 中室牧子 ]
楽天Kobo電子書籍ストア
¥ 1,540(2021/09/20 03:10時点)

コメント