記憶はいつからはじまる?

子育て全般

こんにちは。めぐです♪

みなさんは、小さいころの出来事を覚えていますか?

私が覚えている一番古い記憶は、
「保育園で、ちょっと強引な友達にいつも無理やりおままごとに付き合わされるのが嫌だった」という記憶です(笑)

あのころは学年の概念があいまいだったので自信はありませんが、おそらく年少さんくらいだったと思います。
それ以前の、1歳や2歳のころの記憶はまったくありません。

そのため、小さい子どもというのは出来事を記憶することができないものだと思っていました。

しかし最近、長男が2歳になって言葉を話すようになると、明らかに少し前の出来事をちゃんと覚えていることがわかってきました。

たとえば、1か月くらい前のお弁当の日の、お弁当の中身を聞くと結構正確に答えられます。(自分の好きなおかずのことだけですが(笑))

そこで、
「人間の記憶はいつからはじまるんだろう?」
と興味を持ち、赤ちゃんの記憶についていろいろ調べてみました。

記憶はいつからはじまるの?

赤ちゃんの記憶力については、さまざまな研究で調べられてきました。
今日はその中から2つ、興味深かった研究をご紹介します。

生後3か月の赤ちゃんも、因果関係を理解し記憶することができる

ある実験では、生後3か月の赤ちゃんのベッドの上にモビール*をつるします。

*モビールとは、紙や金属片でできた飾りを糸や針金でつるし、ゆらゆらと動くようにしたもののことです。

そして赤ちゃんの片足とモビールをリボンでつなぎました。
赤ちゃんが足を動かすと、モビールも動くしかけです。

赤ちゃんは動くものが好きなので、足が動いたときにモビールが動くとよく笑い、モビールを見る時間も長くなります。

そして数分もたつと、もっと足を動かすようになり、3日後には、もうリボンが結ばれていなくても、モビールを見ると足を動かすようになったのです。

つまり、生後3か月の赤ちゃんも、「足を動かすとモビールが動く」という因果関係を理解し、さらにその関係を記憶していることが明らかとなったのです。

生後3か月では、このような関係性を覚えていられるのは1週間程度です。
その後、1歳半ごろまでは安定的に記憶力が向上し、簡単な関係なら3か月程度は覚えていられるようになるそうです。

「生まれる前」から記憶はある

さらに調べると、生まれる前、つまり胎児のころの記憶について調べた研究があることもわかりました。

ヘルシンキ大学の研究では、妊娠29週目の胎児にお母さんのおなかの外から週に5回、同じ曲を聴かせました。

そして生まれた直後と4カ月のときに、赤ちゃんに同じ曲を聴かせて、そのときの赤ちゃんの脳波を調べました。

すると、なんと赤ちゃんがその曲を覚えていることがわかったのです。

生まれる前の赤ちゃんにも、ちゃんと記憶はあるんですね。

赤ちゃんの聴覚は妊娠24週ごろ(妊娠7か月)にはすでに機能しはじめているといいます。

「まだ話しかけても意味ないかな?」
と思わず、お腹の赤ちゃんにたくさん話しかけてあげましょう。

お母さんのやさしい声のぬくもりは、赤ちゃんの記憶にちゃんと刻まれています。

小さいころのことを覚えていられないのはなぜ?

一般に、人間は3歳未満の記憶がほとんどありません。

これを「幼児期健忘」といいます。

なぜ、私たちは小さいころの記憶をおぼえていられないのでしょうか。

比較認知科学*を専門とする名古屋大学の川合伸幸准教授によると、幼児期健忘が起こる理由には大きく分けて2つの考えがあります。

*比較認知科学とは、動物たちの知能や「こころ」を科学的に分析し、ヒトと比較することにより、ヒトの最大の特徴である認知機能がいかにして進化してきたのかを明らかにする科学である。
(引用:藤田 和生『比較認知科学への招待 「こころ」の進化学』ナカニシヤ出版)

1つは、乳幼児期の学習は未熟で、記憶をうまく固着できない(記銘の失敗)とする考えです。

前の章で紹介した実験からわかるように、生まれる前や生後間もない赤ちゃんにも記憶があることはわかっています。

しかし乳児期の記憶が保持される期間は長くはなく、生後3か月で3週間、生後4か月で2週間程度といわれています。

このことから、赤ちゃんの脳は、記憶を長期記憶に移行する機能がまだ発達していないという可能性が考えられます。

また、「いつ」「どこで」「なにを」したかというエピソード記憶は発達がとても遅く、4歳ごろに機能するといわれています。
このため、私たちは小さいころの記憶がないと感じるのかもしれません。

もう1つは、記憶の貯蔵に必要とされた神経ネットワークが、後に発達したものに飲み込まれて、当時の記憶を思い出せない(検索の失敗)とする考えです。

これまでのところ、どちらかといえば後者の「検索の失敗説」のほうが支持されているようですが、それぞれの考えに合致する実験の結果があり、どちらも完全には否定できません。

個人的にも、どちらの考えも部分的には正しいだろうと考えています。
人間の脳の機能は非常に複雑なため、幼児期健忘がおこるメカニズムも単一ではなく、複数のメカニズムが複雑に絡み合っているのではないかと思います。

赤ちゃんの記憶も強化することができる

前の章でお話ししたように、赤ちゃんの脳は記憶を保持できる期間が短いなどの理由から、私たちは通常3歳未満のころの出来事を覚えていません。

ですが、脳科学者のサンドラ・アーモットらによると、赤ちゃんが思い出すヒントをタイミングよく与えてあげることで、赤ちゃんの記憶力を向上させることができるといいます。

たとえば、生後6か月の赤ちゃんに、1日だけおもちゃの電車を使った作業をさせた場合、記憶は2週間しか続きません。

ところが、もう一度同じ作業をさせると、記憶が続く期間が2倍になります。

そして、6か月間に4回、同じ作業を繰り返したところ、赤ちゃんは1年後もこの作業を覚えていたのです。

脳科学者のサンドラ・アーモットらは、
「赤ちゃんが、小さかった時に起きた出来事を、適切なヒントを使って思い出させてあげれば、ずっと後になっても(もしかしたら大人になっても)、その出来事を思い出すことができるかもしれません。」
と話しています。


胎内記憶の存在が脳科学的にも証明されていたなんて驚きですよね。

私も、長男が幼児期健忘が起こる3歳になるまでに、胎内記憶について聞いてみたいと思っています。

どんな答えが返ってくるのか、とても楽しみです。

すべての子どもが胎内記憶を覚えていて話せるわけではないと思いますが、小さなお子さんのいる方はぜひ一度聞いてみてください。

よかったら、お子さんがなんて答えたか、みなさんのエピソードを教えてくださいね♪

今日の参考図書

<そのほか参考文献>
公益社団法人 日本心理学会HP「子どものときのことを覚えていないのはなぜ?
DIAMOND ONLINE「赤ちゃんの「胎教」はどれだけ効果がある?研究者が語る意外な真実

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