赤ちゃんはなぜ泣くの?―チンパンジーから学ぶ赤ちゃんの発達

子育て全般

こんにちは。めぐです♪

おなかがすいたとき、眠いとき、おむつが汚れたとき、夜泣き、黄昏泣き、背中スイッチ…―。

赤ちゃんって本っ当によく泣きますよね。
私も「赤ちゃんは泣くのが仕事」と知識としては知っていたものの、実際に自分で赤ちゃんを産んで育ててみると、想像をはるかに超える泣きっぷりにはじめはただただ翻弄されました。

子育て中のお母さんは、ただでさえ慢性的な睡眠不足と疲労で精神的に不安定になることも多いと思います。
そんなときに赤ちゃんが理由もわからず泣くと、いくら最愛のわが子でもストレスに感じてしまうこともありますよね。

私たちの長男も生後8か月~1歳すぎくらいまで夜泣きがひどく、ピーク時には、泣く→抱っこ→寝る→泣く→…、を1時間ごとに繰り返していました。

その結果、もともと眠りの浅いタイプだった私はほとんど眠れなくなり、大分メンタルをやられてしまいました。
「睡眠を奪われると人間って本当に壊れるんだな…」と身をもって実感しました。

余談ですが、主人は私と真逆で寝つきがよく眠りも深いため、長男が夜泣きしてもずっと隣で爆睡していました。『睡眠を制す者は、人生を制す』と強く感じましたね。

あくまで経験談ですが、赤ちゃんが泣くとストレスを感じてしまう背景には、赤ちゃんが泣いている理由がわからないことが一つ大きいと思います。

おなかがすいて泣いている赤ちゃんに対して、「もう!なんでおなかがすいただけでこんなに泣くの!」とイライラすることはあまり多くないですよね。

一方、赤ちゃんが泣いている理由がわからない。授乳もしたし、おむつも大丈夫なはずなのに…。というときには、
「こっちは身も心もボロボロになりながら一生懸命頑張ってるのに、何がそんなに嫌なの?私を困らせたいの?」となってしまいます。私もまさにそうでした。

「赤ちゃんがなぜ泣くのか?」―その理由を知れば、目の前の事実は変わらなくても少しだけ心が楽になるんじゃないかと思い、調べてみました。

大きな声で泣くのは人間の赤ちゃんだけ?

現時点で人間にもっとも近いとされている動物はチンパンジーですが、チンパンジーの赤ちゃんは人間の赤ちゃんのように大声で泣くことは少ないそうです。

それはなぜか?―理由は非常に簡単で、「チンパンジーの赤ちゃんは常にお母さんから離れることがないから」です。

チンパンジーの離乳が完了するのは4歳ごろであり、それまでの間、チンパンジーの赤ちゃんは四六時中お母さんに抱かれており、夜も同じベッドでくっついて寝ます。

赤ちゃんは空腹になると勝手にもぞもぞと動いて乳首を探し、おっぱいを飲みます。そのため、おなかがすいて泣くこともありません。

夜も、チンパンジーの赤ちゃんはお母さんに常にくっついており、おっぱいも好きな時に飲み放題のため、夜泣きもありません。夜泣きする必要がないのです。

このように四六時中赤ちゃんと一緒に過ごす生活を、赤ちゃんが4歳になるころまで続けます。

4年間毎日です。チンパンジーのお母さんもなかなか大変なんですね。本当に尊敬します。

「なんで抱っこなら寝るのに置いた瞬間起きるの?」と途方に暮れることも多いですが、お母さんと離れている状態というのは生物学的には不自然な状態であり、それだけで赤ちゃんは不安になって泣いてしまうんですね。

現実的には人間がチンパンジーと同じようにずっと抱っこしているのは難しいですが、赤ちゃん側にも泣くだけの事情があると知れば、「泣くのもしかたがないのね」と少しだけ心に余裕をもつことができるかもしれません。

泣くことが「ことばの発達」につながる

チンパンジーの赤ちゃんが泣かない理由をきくと、なんだか赤ちゃんが泣いているのはよくないことしかないように感じられるかもしれませんが、よいこともあります。

それは「ことばの発達」です。

常にお母さんから離れず、泣く必要のないチンパンジーでは、声によるコミュニケーションをとる必要性が低いため、「ことば」が発達しません。

それに対して、人間の赤ちゃんはお母さんを泣いて呼ばなければいけないため、声と声によるコミュニケーションを発達させていき、それが「ことば」につながっていきます。

人間とチンパンジーの違い、つまり「人間らしさの起源」はここにあるという説を唱える研究者もいます。

このことをきくと、常に抱っこをしてあげるのは無理にしても、赤ちゃんが泣いているときには、少なくともお母さんや周りの人がなにか反応してあげることが大切だと感じますね。


本題からは少しそれますが、子どもとお母さんの関係が濃密なチンパンジーの育児は理想的で、チンパンジーのお母さんはとても素晴らしいお母さんに感じられるかもしれません。

ですがこれは、 群れで暮らし、母親以外のおとなが子育てをサポートしあうチンパンジーだから成り立つ育児法だと思います。

初めての育児では、妊娠から出産までの身体の変化や赤ちゃんの扱い方など、わからないことだらけなのは人間もチンパンジーも一緒ですが、群れで暮らすチンパンジーでは、周りに先輩の母親がたくさんいるため、見よう見まねである程度のことを学んでいきます。

同じ群れのおとなのチンパンジーが他のチンパンジーの子どもの面倒をみることもあり、その間、母親がせっせとナッツを割って食べていたりする様子もみられるそうです。

チンパンジーも飼育環境下では、周りにお手本が少なく育児サポートも受けられないこともあり、ほぼ半数で育児拒否がおこると言われています。

私たち人間の現代社会では核家族が進み、「ワンオペ育児」や「孤育て」が大きな問題になっています。子どものためにもお母さんのためにも、血縁関係に関係なく「みんなで育てる」社会に変わっていってほしいと切に願います。

<参考>
京都大学霊長類研究所 チンパンジー・アイ 『発達と育児
京都大学大学院理学研究科 生物科学専攻 動物学系 人類進化論研究室 『チンパンジーの成長と発達
eduview 『チンパンジー研究で分かった人間の子育ての本質〜松沢哲郎氏に聞く

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